阪神淡路大震災での体験、片づけに対する想い

私は、阪神淡路大震災の前後、数年、神戸市に住んでいました。
神戸での2つの経験が私の暮らし、そして整理収納アドバイザーとしての信念、活動の根底となっていると強く思います。

使う時を考えて本当に使うモノを選ぶ

ある器やさんとの出会いがありました。
コーヒーカップを選んでいた私は、器やさんのご夫婦からカップに水を入れることを勧められました。
使う時の重さ、感触、取手の持ち具合などを、ちゃんと感じてから買って欲しいと言われたのです。

「(そうしないと)お家で使ってくれないでしょう?」
窯元へ出向き自分で選んできた器たちを、「本当に使う人」に買って欲しい、と。

数や見た目や値段ではなく、しっかりと手に取って選んだ大好きな器たちは、丁寧に扱います。
そして常に現役で活躍中。

それくらいの思いでモノを選ぶことが、モノを持ちすぎない暮らしに繋がります。

モノと向き合う生活

震災の時、建物自体は大丈夫でしたが、ライフラインが止まっていたので、とりあえず1週間分のモノを持って別の場所に移ることになりました。

洋服や生活用品、友達と分担した家電や調理道具を、バックいっぱい詰め込みました。

いざ、歩いて待ち合わせ場所まで移動しようとしたとき、

「持ち上げる」ことはできても、「持って歩けない」ことに気が付きました。
自分1人の生活を守るために選んだモノたちを、さらに選ばないと動けない、生きられない現実を知りました。

1週間分も持てないのに、家族がいたら?ペットがいたら?体に不調があったら?
非常時だけでなく、日常から暮らしに必要なモノと向き合うことを考え始めたきっかけです。

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